麻ロープ
どんなロープ?
しなやかで強靭な天然繊維のロープ
麻の繊維は天然繊維の中で最も強靭で、水に濡れるとさらに強度が増します。ただし、強度にはばらつきがあり、安全を要する作業には不向きです。しなやかで弾力性があり、繰り返し使用にも耐え、摩耗にも強いため耐久性に優れています。
環境に優しい天然繊維で、腐食しやすい反面、生分解性に優れています。
サステナブルな素材として、近年特に欧州を中心に人気があります。
麻ロープの短所
麻は他の素材に比べやや重く、高品質なものは製造コストが高い傾向があります。また、栽培地域が限られているため、供給が不安定になることが欠点として挙げられます。
麻ロープはこんなところで大活躍
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畜産用として -
装飾用として -
園芸・造園用として
麻ロープの 歴史

歴史最古の天然繊維ロープ
ロープの歴史として、もっとも古くからある天然繊維のロープが麻ロープです。歴史的には19世紀以降、フィリピン産のマニラ麻(アバカ)を使ったマニラロープの需要が高まり、日本でも東京製綱会社が1887年に国内初のマニラロープ製造を開始しました。なお、マニラ麻(アバカ)は本来アサ科の植物ではなく、バショウ科に属し、野生のバナナの仲間ですが、日本語としては、麻(大麻)に似た性質をもつ植物や、その繊維にも「アサ」の呼称が使われてきました。

サイザル麻の登場
歴史的には、生産地であるフィリピンのダバオからのマニラ麻の流通量が減少したことや、それに伴って値段が高騰したことにより、純マニラロープの代用品としてのサイザルロープが流通を増やすことになります。
サイザル麻はメキシコのユカタン半島原産で、こちらもキジカクシ科リュウゼツラン属の植物であり、本来の麻(大麻)とは植物学的には全くの別種です。

マニラロープとサイザルロープ
マニラロープが濃い茶色をしているのに対して、サイザルロープは白っぽく、外観的にマニラロープのような茶色を求める声が多くありました。そこで生まれたのが、染めサイザルロープで、現状マニラロープと言われているもののほとんどは、純マニラロープではなく、染めサイザルロープなので、強度面を考える場合は注意が必要です。
※サイザルロープの強度は純マニラロープの3分の2程度であるため。
麻ロープのデータ
強さ | 伸びやすさ | 比重 | |
---|---|---|---|
麻ロープ |
1.45 |
||
麻ロープ |
1.3 |
||
麻ロープ |
1.3 |
麻ロープの種類と違い

環境に負荷をかけない天然繊維の
ジュートロープ
サイザルロープより少し柔らかい素材の麻ロープとして、ジュートロープがあります。従来の用途は農業/産業用の麻袋として穀物などを梱包しておりましたが、近年ではジュートバックやラッピング用の麻ひもとしても用途展開が広がっております。
ジュートは光合成が盛んで大気中のCO2削減に効果が高いだけでなく、一定期間で再生産が可能で、現地でも主要な産業になっており、”黄金の糸”とも呼ばれております。
強度は同じ麻の種類であるサイザル麻よりは弱く、水濡れには強くないので使用シーンは選びます。水に濡れた場合はさらに強度が下がります。

棕櫚の木の幹を包む
暗褐色の繊維から生まれた棕櫚縄
棕櫚縄はヤシ科の棕櫚の繊維を使用した縄で、特に和歌山県の野上谷地域で自生・栽培されてきました。その繊維はしなやかかつ強度が高く、耐荷重性・耐久性・摩耗耐性・弾力性に優れ、静電気も発生させない環境に優しい素材です。
一方で他の素材に比べてやや重く、高品質なものは製造コストが高い傾向があります。また、栽培地域が限られているため供給が不安定になる点が欠点として挙げられます。
用途では、漁業では魚網や船具、農業では結束材や支柱として使用されます。建築分野では荷物の固定や運搬に役立ち、日用品としてはほうきやブラシ、たわしやロープなど広く利用されています。
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